東部深層海水創新研發中心

白亜紀の温暖期から寒冷へ移行に認めれた深海循環の逆転

發佈日期:2017-09-05

標題
白亜紀の温暖期から寒冷へ移行に認めれた深海循環の逆転
作者
大河原 秀祐 (東北 大学)・海保邦夫(東北 大学) ・池原 実(高知大学 )
文件屬性
日本研究
知識分類
基礎研究
點閱數
2789

摘要

中期白亜紀は温暖化が進行した時代で、CenomanianからTuronianにかけて海洋無酸素事変(OAE2)が発生し(Huber et al.,2002; Wilson et al.,2002)、その後徐々に気候が寒冷化へと向かった。海洋の深層循環は地球の気候と関連性があるものの、中期から後期にかけての白亜紀を通じた深層循環は復元されておらず、気候との関連も明らかにされていなかった。
表生の底生有孔虫の殻に記録される深層水の炭素同位体比は、深層循環による影響を受ける。海洋表層にて12Cに富む有機物が合成され、その有機物が深層へと沈降する間に分解されて、深層水12Cや13Cが供給される。さらに深層水の流れによって12Cや13Cが運ばれ、その結果として深層水の起源に近い深層ほど12Cが乏しくδ13Cの値が高くなる(Nunes and Norris, 2006)。この仕組みを利用して本研究では、北大西洋やインド洋、太平洋で採取されたDSDP、ODPのコア試料から拾いだされた底生有孔虫殻の炭素同位体比を用いて、白亜紀のAlbianからMaastrichtianの期間の深層循環を復元した。また、古第三紀に起きた極大温暖化事変であるPETMの時期の深層水温を基準にし、酸素同位体比から推定した水温から深層水の起源を考察した。
AlbianからCenomanianにかけては、比較的高緯度において深層水が形成されインド洋の深層水が北大西洋のそれよりも新しかった。温暖化が発達したCenomanianとOAE2の時期には、北大西洋とインド洋の炭素同位体比が太平洋と比べて高いこと、酸素同位体比の値が低くなっていることから、低緯度のテチス海でつくられた水塊が深層水となり、北大西洋やインド洋、太平洋へと流れていったと考えられる。およそ88MaのConiacianにおいても深層水の起源は低緯度で、太平洋の深層水が他の海洋と比較して新しくなった。Campanian以降には北大西洋高緯度でつくられた深層水がインド洋を経由し太平洋へと流れていく現在と似たような深層循環が成立した。
以上より白亜紀において、温暖期から寒冷期にかけて深層水の起源が低緯度から高緯度へと変化したことが明らかとなった。

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