東部深層海水創新研發中心

正常ヒト皮膚由来線維芽細胞の石灰化と海洋深層水の添加効果

發佈日期:2017-08-08

標題
正常ヒト皮膚由来線維芽細胞の石灰化と海洋深層水の添加効果
作者
山田勝久・野村道康(㈱ディーエイチシー)、 柴田雄次・今田千秋(東京海洋大学)
文件屬性
日本研究
知識分類
醫療保健
點閱數
2788

摘要

1.目的
海洋深層水(以後,DSW)のヒトの健康分野への利用は,非常に興味が持たれるところである.しかしながらその有用性に関する詳細な研究報告は未だ数少ない.前回我々は,正常ヒト皮膚由来培養線維芽細胞(以後,NB1 細胞)を用いてCa/Mg 比の増加が石灰化を誘導すること,さらにDSW はこの現象を軽減することを報告した1).そこで今回は,石灰化が起こらない培養条件下でも,環境刺激である紫外線に曝露されたNB1 細胞は石灰化が誘導されるか否かについて調査するとともに,その条件におけるDSWの添加効果を調べることを目的とした.
2.方法
全ての評価系において,NB1 細胞は96 穴マイクロプレートに2 万個/穴となるように播種した後,一日間前培養を行い,Ca 濃度と石灰化の関係を調査した.Ca 濃度の調整にはCaCl2(試薬特級)を用い, MgCl2・6H2O(試薬特級)でCa/Mg = 2 に調整し,Ca 濃度と石灰化の関係を調べた.次に健常人の血清中のCa 濃度およびCa/Mg 比(2 mM Ca, Ca/Mg = 2)の条件で,リン酸濃度と石灰化の関係を調査した.なおリン酸濃度の調整にはPBS(-)(日水製薬)を用いた.上述の調査でNB1 細胞が顕著な石灰化が起こらない条件で,環境刺激として紫外線(0.8 J/cm2,UVA ランプ; FL15BLB,東芝,以後UVA)を照射し,照射量と石灰化の関係を調べた.最後にUVA 照射により石灰化する細胞に対して,DSW の添加効果を調べた.なお本研究において,NB1 細胞の活性はMTT還元法2),細胞膜機能についてはNR取込法3),また石灰化度については市販のキット(Calcified nodule stein kit,コスモバイオ)で染色した後, 10%(w/w)塩化セチルピリジニウム(試薬特級)を添加して色素を抽出し,マイクロプレートリーダー(OD570,Bio Rad)で測定した4) .得られた結果は,UVA 未照射区を対照とした相対値(石灰化度)で示した.
3.結果および考察
健常な人の血清中のCa, Mg およびリン酸濃度に調整して培養したNB1 細胞では,顕著な石灰化は起こらなかった.この条件でNB1細胞にUVA を照射したところ,照射量依存的に石灰化度は上昇したが,0.8 J/cm2 以上の照射量では石灰化度の上昇は頭打ちとなった.そこでNB1 細胞にUVA を0.8 J/cm2 照射した後,終濃度が4%になるようにDSW を添加したところ,石灰化度の上昇が顕著に抑制された.またDSW の石灰化抑制作用機序を確認するために,UVA 照射によるダメージ指標として細胞活性と細胞膜機能の変化を調べた.その結果,DSWは細胞活性の維持効果を示したが,細胞膜機能の低下は防げなかった.このことからDSW の石灰化抑制効果は細胞活性の維持効果に起因するものと推察された.今後はさらに詳細に,DSW の石灰化抑制機序の解明に向けて研究を進める予定である.
参考文献
1) 山田ら(2016) 海深研,16, 40.
2) 山田ら(2007) 粧技誌,41,254-261.
3) Hill-Bator Aneta et al, (2014) BioMed Res Int,2014,292139(Web only).
4) 鈴木浩之, 橋本賢二(1992) 口科誌, 41,268-274.

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