東部深層海水創新研發中心

養液への海洋深層水の添加による高機能性レタス栽培に関する研究

發佈日期:2017-08-08

標題
養液への海洋深層水の添加による高機能性レタス栽培に関する研究
作者
清水 浩(京都大学農学研究科)、 山田勝久・野村道康(㈱ディーエイチシー)、中村謙治・菊池真澄(エスペックミック㈱)
文件屬性
日本研究
知識分類
精緻農業
點閱數
2785

摘要

【はじめに】
近年,植物工場は安定供給や高い安全性,高い生産性などの点から注目されている。また環境条件を自由に制御できることから,露地では栽培できない高付加価値,高機能性を持つ作物生産が可能であり,実際にそのような野菜の販売も始まっている。そこで,本研究では栄養塩が豊富な海洋深層水を活用して,植物工場において機能性の高いレタスを栽培する技術を確立するための知見を得ることを目的とする。
【材料および実験】
供試植物はフリルアイス (Lactuca sativa L.cv. Frill Ice)とし,播種・育苗に9 日,その後栽培パネルに移植し収穫まで35 日(合計44日)に設定した。移植から33 日目までは通常の植物工場における栽培とほぼ同様の環境条件で栽培した。具体的には光合成有効光量子束密度(直管型LED):260 μmol m-2 s-1,明暗周期:16h/8h,DT/NT:23/18℃,養液はOAT アグリオ社のA 処方(大塚ハウス1号,2号)を用い,電気伝導度(EC):2.0 dS m-1 に調整した。pHは6.5 であった。実験区は4つ設定し,水耕養液に海洋深層水(DSW),表面海水(SSW),ED ミネラル水などをさまざまな濃度で添加し,成分に与える影響を調べた。なお,養液中に含まれる肥料成分を同じにするため,水道水をフィルタリングした水に肥料を添加しEC を2.0 d S m-1 に調節し,それと同量の肥料を水とDSW・SSW・ED ミネラル水の混合液に加えた。
【結果および考察】
図1は実験結果の一例として,栽培養液のEDミネラル水濃度を20%,50%,DSW 濃度を20%にしたときの収穫後のフリルアイスが含有するカルシウム(Ca),マグネシウム(Mg),Ca/Mg 値を示したものである(図1には分光光度計とRQフレックスによる測定値を示した)。養液におけるDSW やED ミネラル水の濃度を変更してもCa2+の含有量に有意な差は認められなかったが,Mg2+はED ミネラル水20%と50%でコントロール(図中の0%)と比較して有意に高くなり,Ca2+ とMg2+の比であるCa/Mg 値は同様にED ミネラル水20%と50%で1.5 以下(RQ フレックスでの測定値)となった。日頃の食事におけるCa/Mg 値は虚血性心疾患の年間死亡率と比例関係にあることがKarppanen ら(1978)によって報告されており,1970 年代の日本における食事全体のCa/Mg 値は約1.1 であり,世界各国と比べると非常に低く(フィンランドは約4),虚血性心疾患の年間死亡率も小さかった。しかし,ながら1990 年後半からの食の西洋化でCa/Mg 値は約2.5 まで増加しており,それに伴って虚血性心疾患の年間死亡率も急増している。図1に示したように養液にED ミネラル水を添加することでCa/Mg 値の低い機能性の高いレタスの生産が可能であることが明らかとなった。

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