東部深層海水創新研發中心

海洋深層水の微生物群集構造と放線菌分離株の抗癌活性について

發佈日期:2017-11-17

標題
海洋深層水の微生物群集構造と放線菌分離株の抗癌活性について
作者
○今田千秋・梁太熙1)、 山田勝久2)、池上康之3)、寺原猛・小林武志1) (1)東京海洋大、 2)㈱ディーエイチシー、 3)佐賀大海洋エネルギー)
文件屬性
日本研究
知識分類
醫療保健
點閱數
2745

摘要

1. はじめに
近年,陸上由来の新規有用物質の発見は減少の一途をたどっている.そのため海洋由来微生物に関心が高まりつつある.特に最近では海洋深層水(以下,DSW)中の微生物にも注目が集まるようになってきた1).DSW は表層水(以下,SSW)と比較して微生物数が極めて少ないことが知られているが2),DSW の微生物は低温,高水圧,低有機物濃度の極限環境に適応していることから,新しい有用物質を生産している可能性が考えられる.そこで本研究では日本各地のDSW 取水設備からDSW およびSSW をそれぞれ入手して,次世代シーケンサー法を用いて微生物群集構造を解析し,新種を含む未同定微生物の多DSW から放線菌を分離し,抗癌物質生産性を調べることを目的とした.
2.方法
北海道羅臼,北海道岩内,富山県滑川,伊豆赤沢,高知県室戸,鹿児島県甑島および沖縄県久米島の各取水設備からDSW およびSSW をそれぞれ2ℓ入手し,微生物群集構造の解析試料として用いた.各試料を孔径3μmのヌクレポアフィルターでプレ濾過後,濾液をさらに0.2μmのフィルターにて濾過し,フィルター上に微生物を捕集した.これらの微生物から常法によりDNA を抽出後,細菌用の16S rRNA 遺伝子増幅用ユニバーサルプライマーを用いてPCR を行い,得られた増幅産物をパイロシーケンサー(GSFLX Titanium, Roche)を用いて微生物群集構造を解析した.群集構造解析の結果,新種を含む未同定種の多かった伊豆赤沢DSWと久米島DSWに着目し, 培養法により微生物の分離を行った. 伊豆赤沢DSW は, DSWの懸濁物の濾過に用いる使用済みのバッグ状フィルターを入手し,フィルターの底部を無菌的に3 ㎝画に切り取った. 一方久米島DSW は,佐賀大学久米島サテライトの海洋温度差発電装置で発電に使用後の約2 トンのDSW を孔径0.1μm のフィルターを用いて約2 万倍に濾過濃縮したのち,微生物の分離に用いた.これら2か所のDSW サンプルを,ISP-No.4 培地を用いて27℃,4 週間静置培養した.培養後,肉眼で放線菌と判断されたコロニーを釣菌し,液体培養後,得られた培養液上清についてB16 マウスメラ
ノーマ細胞(以下:B16 細胞)を用いて癌細胞に対する毒性を評価した.次に,正常ヒト由来線維芽細胞(以下,NB1 細胞)を用いて正常細胞に対する毒性を調べた.
3.結果及び考察
日本各地の取水設備のDSW およびSSW について微生物群集構造を調べた結果,伊豆赤沢および久米島DSW に新種を含む未同定微生物が多いことが判明した.そこでこれらのDSW より,放線菌約200 株を分離し,液体培養を行った.その結果,11 株の培養液上清に癌細胞に対する強い毒性が認められたため,正常細胞への毒性を調べたところ,9 株は毒性が低かった.これら9 株について16S rRNA 遺伝子解析を行ったところ,AKA32 株(伊豆赤沢由来)は新種の放線菌であることが示唆された.現在,この株を有望株として選択し,培養上清から抗癌活性物質の単離・精製を行っているところである.

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