東部深層海水創新研發中心

海洋深層水の高濃度栄養塩の造礁サンゴへの影響とその対応

發佈日期:2017-11-17

標題
海洋深層水の高濃度栄養塩の造礁サンゴへの影響とその対応
作者
○鹿熊信一郎
文件屬性
日本研究
知識分類
基礎研究
點閱數
3010

摘要

1.高栄養塩は造礁サンゴに悪影響太陽光の届かない海洋深層水の深度では,植物プランクトンは光合成ができず,有機物の分解だけが進むため栄養塩濃度は高くなる。久米島の沖縄県海洋深層水研究所では,水深612mから深層水を取水している。2016 年と2017 年では,硝酸態窒素濃度はそれぞれ0.42,0.37mg/L(以下,単位は全てmg/L)で表層水の約20 倍だった。リン酸態リンは0.066,0.059 で表層水の約12 倍だった。深層水に含まれる高濃度の栄養塩は,海藻養殖には有利であるが,造礁サンゴには悪影響を与える。沖縄県衛生環境研究所の調査では,沖縄でサンゴが50%以上の被度を保つ濃度は,全窒素で0.08 以下,全リンで0.01 以下となった。この値は,環境基本法の基準,それぞれ0.2,0.02 以下よりも2 倍以上低い。高濃度の栄養塩がサンゴに悪影響を与える理由は,間接的には次の3 つである。1)光をめぐってサンゴと競争関係にある海藻を増やす。2)植物プランクトンが増え海水が濁り,サンゴ内の共生藻の光合成を阻害する。3)オニヒトデ幼生の餌料となる植物プランクトンが増え食害種の大発生につながる。直接的にも,生理的な影響があるという報告があるが,最近,
リンが稚サンゴの骨格形成を阻害することがわかってきた。前年度の大会でも報告したが,深層水の高濃度栄養塩がサンゴに与える影響を調べるため,1)熱交換で冷やした表層水,2)深層水を混ぜ
て冷やした表層水,3)熱交換で暖めた深層水を同じ温度に調整し,稚サンゴを飼育した結果,
1)2)3)の順に生残率が高かった(図1)。理由は栄養塩濃度の違いと考えられる。2017 年度も同じ実験を実施中である。

相關連結