東部深層海水創新研發中心

多段ランキンサイクルを用いたOTEC による海水流量低減の検討

發佈日期:2017-11-14

標題
多段ランキンサイクルを用いたOTEC による海水流量低減の検討
作者
○安永健・森﨑敬史・池上康之(佐賀大学)
文件屬性
日本研究
知識分類
基礎研究
點閱數
3159

摘要

1. はじめに
沖縄県海洋深層水研究所では,取水した表層海水と海洋深層水を用いて,海洋温度差発電(OTEC)の実証プラントが2013 年から運転を行っている.また,久米島では,海洋深層水の取水量増加による複合利用の推進が検討されており,その中で正味出力1MW 規模の商用プラント設置が検討されている(1).ここで,海洋深層水の取水設備設置コストはOTEC 発電設備のコストの約3 倍と試算されており,システムの低コスト化には,取水設備のコスト低減が重要である.一方,佐賀大学海洋エネルギー研究センターでは,取水した熱源海水の熱エネルギーを有効利用する方法として,熱源海水をカスケード利用する多段サイクルを検討しており,理想的条件では,同じ熱源の温度,流量条件において,従来(単段)のサイクルよりも発電出力が約1.3 倍になる可能性が示されている(2).本報では,発電出力1MW のOTEC について,従来の単段ランキンサイクル(S-R)と2 段ランキンサイクル(D-R)の必要海水流量について比較を行い,D-R による海水取水量の低減の検討結果を報告する.
2. サイクル解析方法
図1 にD-R の概略フロー線図を示す.表層海水はCycle No.1 の蒸発器を経てCycle No.2 に入り,海洋深層水はCycle No.2 の凝縮器を経てCycleNo.1 に入る.サイクル解析は,Morisaki et al.の仮定及び計算モデルを基にした関係式を用いた(3).計算条件は,発電端出力1MW,タービン効率75%,作動流体ポンプ効率80%,蒸発器及び凝縮器の伝熱性能(UA/Q)=0.4 K-1,海洋深層水温度5℃,表層海水温度15~30℃とし,熱源間の入口温度差にて,最大の発電出力が得られる作動流体流量(熱源の出入口温度差)の条件で算出した.作動流体はアンモニアとし, その熱物性はREFPROP(4)を用いて算出した.
3. 計算結果及び考察
図2 にD-R に対するS-R の必要海洋深層水流の比を示す.熱源間温度差が25℃の場合,D-RはS-R に対し海洋深層水流量は,約20%削減される.一方,熱源間温度差が10℃と小さい場合,D-R の必要海洋深層水流量が増加する.これは,D-R は,熱源間の入口温度差に対し,熱源の出入口温度差がS-R に比べて大きくなり(図3),D-Rのサイクルの有効動作温度(タービン出入口温度)がS-R に比べて小さくなったためである.
4. まとめ
表層海水30℃,深層水5℃の条件で,D-R を用いると,S-R に比べて,約20%の深層水流量低減の可能性を示した.

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