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日本各地の海洋深層水中の細菌群集構造解析

發佈日期:2017-08-10

標題
日本各地の海洋深層水中の細菌群集構造解析
作者
寺原 猛・梁 太熙・小林 武志・山田 勝久・今田 千秋(東京海洋大学)、 中山 二郎(九州大学)、五十嵐 康弘(富山県立大学)、池上 康之(佐賀大学)
文件屬性
日本研究
知識分類
基礎研究
點閱數
4797

摘要

1.緒言
微生物が産生する生理活性物質は人間生活の向上に寄与してきたが、陸上環境中の微生物からの新規生理活性物質の発見頻度は減少している。そこで、微生物の新たな探索源として、海洋環境が俄かに注目されるようになってきた。しかし、対象となる海洋サンプルは海底堆積物や海洋生物であることが多く、海水を分離源とする微生物、特に海洋深層水(以下、DSW と記述)中に存在する微生物に関する基礎的知見は十分ではない(今田,2009)。DSW 中の微生物のバイオマスはかなり少なく、伊豆赤沢のDSW 中の生菌数はSSW と比べて約千分の一程度であると報告されているが(今田,2012)、富山湾深層水からの乳酸菌の分離と諸性状(林ら,2007)が報告されるなど、特異的な環境であるDSW 中には新規微生物、あるいは特異的な生理・生化学的諸性状を有する有用微生物の存在が期待される。そこで、本研究ではDSW を有用微生物の分離源として活用することを視野に入れ、DSW 中の細菌群集組成を調べることを目的とした。海洋微生物は寒天培地を用いた通常の分離方法では培養できないことが多いため、DSW から抽出した微生物DNA を用い、次世代シーケンサーにより、細菌群集構造を調べた結果を報告する。
2.方法
日本各地の7 か所の海洋深層水取水施設にて、DSW と直上の表層海水(以下、SSW と記述)を2013年11 月と2014 年2 月に採水した。海水から孔径3.0 μm のヌクレポアフィルターを用いて懸濁物などを濾別した後、さらに孔径0.2 μm のヌクレポアフィルターで濾過し、現場微生物をフィルター上に捕捉した。このフィルターから微生物DNAを定法によって抽出し、真正細菌の16S rRNA 遺伝子のユニバーサルプライマーを用いてPCR を行った後、Miseq を使用して次世代シーケンス解析を行った。そして、MiSeq データの解析プラットフォームであるMiSeq SOP(http://www.mothur.org/wiki/MiSeq_SOP)を用い、得られた配列データからOTU を作成した。さらにQIIME1.8.0(http://qiime.org/)を用い、各採水地点の細菌群集構造を解析した。
3.結果および考察
細菌群集構造解析の結果、細菌群集の95%以上が4 つの門(Actinobacteria, Bacteroidetes,Proteobacteria, Verrucomicrobia)と未同定の門で占められることがわかった。Actinobacteriaは土壌由来と考えられているが、日本各地のDSW中からも検出された。また、Verrucomicrobia は土壌・淡水・海洋など様々な場所から分離され、多様な種が報告されているが、SSW 中よりもDSW中から数多く検出された。また、DSW 中の細菌種の数(7 か所の平均)はSSW 中よりも多く、DSWのほうが多様性は高いことが示唆された。このように、DSW 中の微生物DNA から多種多様の細菌が検出されたことから、微生物の新たな分離源として今後大いに期待したい。
参考文献
・今田千秋,応用微生物学的見地から見た海洋深層水と海底堆積物の有効利用,海洋深層水研究(2009),Vol.10,pp. 33-40.
・今田千秋,海洋における新有用微生物,海洋深層水研究(2012),Vol.13,pp. 33-40.
・林篤志,嶋田貴志,尾仲宏康,古米保,富山湾深層水からの Enterococcus 属乳酸菌の分離と諸性状の検討,日本乳酸菌学会誌, (2007), Vol.18, pp. 58-64.

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