東部深層海水創新研發中心

久米島における海洋温度差エネルギーの複合利用に関する基礎研究

發佈日期:2017-08-10

標題
久米島における海洋温度差エネルギーの複合利用に関する基礎研究
作者
浦田和也・安永健・岩崎君夫・池上康之(佐賀大学)、 兼島盛吉(沖縄県海洋深層水研究所)
文件屬性
日本研究
知識分類
基礎研究
點閱數
2647

摘要

1.はじめに
久米島では海洋温度差発電(OTEC)での発電後の海洋深層水を複合利用する「久米島モデル」が検討されている。2014 年10 月に設置された佐賀大学海洋エネルギー研究センター久米島サテライトでは、隣接する沖縄県のOTEC 実証プラントから分水した表層水と海洋深層水を用いた海洋温度差エネルギーの複合利用の基礎検討を行っている.即ち、熱エネルギーを利用した蒸発式海水淡水化、OTEC から得られた電気を貯蔵・輸送のための造水した淡水からの水素製造、熱エネルギー伝達に最も重要な機器であるプレート式熱交換器の基礎性能試験などである。本研究では、この海洋温度差エネルギーの複合
利用での基礎研究の中心を担う蒸発式海水淡水化装置で取得した約1 年間(2015 年9 月1 日~2016 年8 月31 日)の運転状況を報告する。
2.実験装置及び実験方法
図1 に海水淡水化装置の実験装置のフロー線図を示す。造水原理は、表層海水を飽和蒸気圧以下に減圧することで、その海水の一部が蒸発し、海洋深層水でその蒸気を凝縮することで淡水を得る。表層海水は、フラッシュチャンバー内で上向きに放出され、スプレーフラッシュ蒸発する。表層海水が蒸発する際、海水中の溶存ガスが海水から分離される。そのため、一部温水配管系統は、この分離された不凝縮ガスを除去する目的で、真空ポンプを連続的に運転し、飽和蒸気圧力に制御される。なお、表層海水中の塩分などの物質は、蒸発しきれなかった海水と一緒に排水される。本装置では、凝縮器で凝縮しきれなかった蒸気は、補助凝縮器で完全に凝縮した後、清水タンクに貯蔵される。
3.実験結果及び考察
図2 は、本装置に流入した海水温度を示す。実験期間中の表層水温度は、21.0~36.6℃、平均水温は26.8℃であった。表層海水は季節によって温度変化し、冬季(1 月から3 月)までの平均水温は23.0℃であるが、夏季(7 月から9 月)は平均30.2℃と比較的高い値を示している。深層水の水温は、8.4~16.9℃の範囲で変化しているが、周年安定しており、平均温度は11.7℃であった。一部の計測時期では、急激な温度変化が計測されている。これは、実験装置までの配管が外気や直射日光の影響を受けたものと推測される。本計測期間での表層海水と海洋深層水の平均温度差は約15.1℃、温度差が低下する冬季においても11℃以上の温度が得られている。また、表層海水の平均流量は約1t/day、海洋深層水の平均流量は約2t/day、約1 年間の運転での造水積算量は1,227L であった。温度差が大きい夏季には、日量10L 以上の淡水が得られた。
4.まとめ
海洋温度差エネルギーの複合利用の中心である海水淡水化について、久米島の表層水及び海洋深層水を利用した蒸発式海水淡水化実験装置を約1 年間の連続運転した。その結果、年間を通じた海水温度、流量から得られる造水量を定量的に確認した。

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