東部深層海水創新研發中心

コンクリート塊を利用した浅海域・肥沃化の可能性

發佈日期:2017-08-10

標題
コンクリート塊を利用した浅海域・肥沃化の可能性
作者
鈴木 達雄(㈱人工海底山脈研究所)
文件屬性
日本研究
知識分類
基礎研究
點閱數
2871

摘要

1. はじめに
海洋では漁獲圧の急増、海洋汚染、浅海域の埋立て等により、世界的に水産資源の減少が著しい。日本では水産資源回復のため100m の大水深域に人工海底山脈を建設し、富栄養な海洋深層水で海域を肥沃化する事業を進めている。近年の調査から密度躍層付近の栄養塩が真光層に混合する機構が判った。この知見は浅海域での肥沃化の可能性を示唆している。一方、震災廃棄物等の埋立てによる藻場や干潟の消失が懸念されている。そこで、震災廃棄物等の20%を占めるコンクリート塊を、浅海域の肥沃化事業に利用すれば一挙両得である。
2. 浅海域人工海底山脈の効果
天然礁は増殖効果が高いことで知られている。天然礁状の人工海底山脈の増殖効果は大水深域で評価されているが、浅海域に建設すれば、深海域の増殖効果に加えて藻場形成による波及効果も期待できる。
浅海域では密度成層が弱いので、海底山脈がつくる湧昇渦が海底の栄養塩、有機物等を湧昇する肥沃化効果がある。また、躍層がある場合も流れと波による混合が期待できる。沖合の水深10~30m で海底山脈上部の真光層に形成される藻場は、岸近くの藻場に比べ、流れと波により高流速、低水温、高栄養、高透明度の環境になり、海藻類の生長に有利と考えられる。加えて藻場を拠とする産卵場・稚仔保育場、下に続く魚礁と表層から海底までの増殖環境が整う。しかも、この海底山脈の建設にコンクリート塊が大量に使えれば、埋立ての抑制に繋がり藻場・干潟を保全する効果がある。一方、費用では、コンクリート塊を主とする再利用材費、港から近距離の海上運搬費、浅海域での工事費、と大水深の海底山脈より大幅な削減が可能で、費用対効果は既往の海底山脈に劣らないと推測できる。
3. コンクリート塊利用の可能性と課題
海底から立ち上がり、上部を真光層に出す高さ5~25m程度の人工海底山脈の体積は、1基数千から数十万m3 になる。海底山脈の全体積の7割を占める中心部は、光が届かず、海水交換が悪いので魚介類の生息に適さない。この中心部の材料に安全、強度、耐久性が確保できれば、極力加工しないコンクリート塊が使える可能性が高い。コンクリート塊利用の課題は、品質管理規準、蛇籠詰め砕石等を含む中心部の構築方法、津波等に対して表層を完全に被覆し海底山脈の形状を維持する方法等である。さらに、海水交換が良く、複雑で広い魚礁空間の提供、海藻類に適した環境の提供等による増殖効果の最大化と、特長を活かした工事費の適正化の検討が課題である。この事業化には、上記の研究成果を技術マニュアルに纏め、漁業者、自治体の事前の合意による実施計画策定への協力と同時に、情報公開と技術
支援が必要である。
参考資料
(一財)漁港漁場漁村総合研究所、漁場施設への災害廃棄物等再生利用の手引き,2012.

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