東部深層海水創新研發中心

足浴による海洋深層水効果の検討

發佈日期:2017-08-08

標題
足浴による海洋深層水効果の検討
作者
新村哲夫(富山大学大学院 医学薬学研究部 疫学・健康政策学・前 富山県衛生研究所)、 松永憲治・清水教子・清水忠道(同・皮膚科学)、立瀬剛志・山田正明・関根道和(同・疫学・健康政策学)、 油本智美・升方章人(WAVE 滑川)
文件屬性
日本研究
知識分類
醫療保健
點閱數
5620

摘要

【目的】
前回大会において、海洋深層水および各種海水由来水の42℃の足浴実験について報告した。深層水の足浴では皮膚温度による温熱効果は確認できなかったが、皮膚水分蒸散量が多く発汗作用が推測された。そこで、今回は深層水足浴の温度を40℃として、額部の水分蒸散量の測定による発汗作用の確認、手足、額部の皮膚温度の経時変化の観察による全身の温まりやすさについて検討したので報告する。
【方法】
実験に供した水は、深層水と水道水である。いずれも深層水体験施設「タラソピア」のものを使用した。対象者は、冷え性や更年期の中高年女性(40~60 代)10 名(平均年齢62.9 歳)であり、一人の被験者が2 種類の足浴を行い比較する方法を用いた。足浴の方法は、両足の膝下までの温浴である。恒温槽(サーモミキサー)で温めた水を、約20L のポリバケツにポンプで還流し水温40℃に保ち、その温水に10 分間両足を浸漬した。直前、直後、15 分後、30 分後に両足、両手および額の皮膚温度、右足の背部、内足部および額の皮膚水分蒸散量、右足背部、内足部および額部の角質水分量を測定した。実験は、深層水体験施設「タラソピア」で室温23℃に設定し行った。足浴の実施日時は、同一被験者が同じ曜日、時間となるように調整した。本研究は、富山大学倫理委員会へ変更申請し承認を受け実施した。
【結果】
各測定項目は、足浴の種類と経時的な変化について二元配置分散分析(対応のある因子と対応のある因子)を行った。前回報告した42℃の足浴では、足背部の皮膚温度の足浴前後の変化には、深層水と水道水の間に有意な差がみられなかったが、今回の40℃の足浴では、深層水と水道水の間に有意な差がみられ、足浴後いずれの時点でも深層水が高い温度を示した(p<0.05)。足内側部の皮膚温度は、いずれの時点でも深層水が高い皮膚温度を示したが、有意差はみられなかった。手背部の皮膚温度は、いずれの時点でも深層水が水道水に比べて高い傾向を示した(p<0.1)。額部の皮膚温度変化には、有意差はみられなかった。足浴前後の足背部の皮膚水分蒸散量についてみると、前回の42℃の足浴では、足背部の水分蒸散量は足浴直後から深層水が水道水に比べて増加したが、今回の40℃の足浴では有意な差はみられなかった。足内側部の水分蒸散量も、有意差はみられなかった。額部の水分蒸散量は、水道水が足浴30 分後に低値を示したが、個人差が大きく有意差はみられなかった。足浴前後の足内側部の角質水分量は、前回の42℃の足浴でみられたように、今回の40℃の足浴においても、水道水の15 分後、30 分後に角質水分量の減少がみられ、深層水と水道水の間に有意な差がみられた(p<0.05)。交互作用もみられ(p<0.05)、水分量の経時変化が異なることが観察された。足背部の角質水分量は、足内側部と異なり、深層水と水道水との間に有意な差はみられなかった。額部の角質水分量は、水道水が足浴前から30 分後まで下がり続けたのに対し、深層水は15 分後から30 分後に上昇したが、個人差が大きく有意ではなかった。
【考察およびまとめ】
前報において深層水および各種海水由来水の42℃の足浴実験を行ったところ、これまで報告した深層水の全身の温浴の結果と異なり、足浴後に水道水に比べて深層水による有意な皮膚温度の上昇がみられず、一方、足浴後の皮膚水分蒸散量は水道水に比べて増大しており、深層水の足浴には発汗作用があるものと推測された。今回の検討では、足浴温度を40℃とし、発汗作用の検討のため測定部位として足背部と内側部に加えて額部を追加して測定した。その結果、深層水による水分蒸散量は、いずれの部位も水道水と変わらなかった。一方、足背部の皮膚温度は、深層水が水道水より高くなるなど、これまでの全身浴の結果と同様の結果が得られた。このことから、採用する足浴温度により、深層水の効果が皮膚温度の上昇となる場合と、皮膚水分蒸散量の増大となる場合があることが推測された。今後、深層水成分の効果の実験を行う場合に留意しなければならない。前回の42℃の水道水の足浴後(15 分以降)にみられた、角質水分量が足浴前よりも減少する現象は、今回の40℃においても観察された。深層水足浴においては、角質水分量の減少が防がれており、深層水には保湿効果があるものと考えられた。

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