北海道における海洋深層水を活用した地域振興について
- 標題
- 北海道における海洋深層水を活用した地域振興について
- 作者
- 吉浦正登・岸哲也( 一般社団法人寒地港湾技術研究センター)、山上佳範( ㈱アルファ 水工コンサルタンツ)、松下圭吾( 北日本港湾コンサルタント㈱)
- 文件屬性
- 日本研究
- 知識分類
- 基礎研究
- 點閱數
- 3304
摘要
1. 目的
北海道における特色ある港湾機能を活用して取水される海洋深層水は、羅臼町、岩内町、八雲町(熊石地区)の3地域で供給されており、水産利用以外にも食料品や化粧品など様々な分野で活用されている。
し か し 、北海道は後発地域である等の理由により、関連商品( 食品、美容・健康、水産業、農業利用等) の販売の伸び悩みが続いており、深層水の利用量も頭打ちとなるなど、認知度・告知不足、輸送、価格、効能・科学的根拠不明、販売網の少なさ等、実用化、販売面で多くの課題を抱えている。本 研 究 で は、こうした課題を克服するために、単独では効果が限定的なPR活動の推進や継続的な製品開発、販売促進の取組強化等の検討に向けたアンケート調査を実施し、消費者の目線に沿った購買動向を分析した。また、取水地である羅臼町、岩内町、八雲町(熊石地区) 3地域の事業担当者による取水地連絡会を毎年開催し、各地域で抱える深層水の利活用に係わる問題点・課題解決に向けた意見交換を行った。
2. 方法
(1)北海道海洋深層水フェアの実施取水地のある3地域で海洋深層水を利用した関連商品の認知度向上のため、消費者の多く集まる北海道札幌駅周辺において、平成23年度~ 27年度まで年に1回、3町合同
で「北海道海洋深層水フェア」を開催し、海洋深層水のP R と販売促進活動を行った。
(2)アンケート調査の実施
上記フェアの開催に合わせ、フェア来場者を対象にアンケート調査を実施した。アンケートの質問事項は次のとおりである。
3. 調査結果
(1)アンケート調査
① 北海道の消費者は、海洋深層水の特徴や取水地の認知度が比較的高い。
② 深 層 水 のイメージは、「健康」、「おいしい」、「栄養」が高く、若年代層・女性層では「美容」のイメージも高い。
③ 深 層 水商品の購入リピート率は約30%~ 50% で、女性のリピーターが多い。また、購入した人の50% ~ 80% が再度購入の意欲がある。
④「再度購入したい」人の商品の感想は「おいしかった」が約半数を占める一方、「どちらともいえない」人は「おいしかった」けれど「高かった」、「効果なし」という感想が多い傾向を示してる。
⑤ 商 品 に 対して、「リーズナブルな価格」と「効用の科学的根拠」が望まれている。男女とも同一意見が多い。
⑥ 販路拡大に向けては、価格を安くすることや積極的なP R が必要との意見が多い。
⑦ フ ェ ア の 感想については、76% の人が継続した開催を期待。商品種類を増やして欲しいという要望が26% あった。以 上 の ア ン ケート回答結果より、海洋深層水を使用した商品として望まれる商品像を以下にまとめた。商 品 像 を み ると、分野としては一般食品となり、深層水のイメージにつながる付加価値を加えたものとなる。付加価値としては、「健康」、「おいしさ」、「栄養」また若年代層・女性層向けでは「美容」につながるものとなる。また、リピート率を上げるには、「リーズナブルな価格」、「効用の科学的根拠」、「商品メニューの充実」を備えていくことが必要である。また、こうした商品について、さらにP R を進めることも重要である。
(2)北海道海洋深層水取水地連絡会
3 町取水地連絡会へのヒアリングや当会
議の意見交換から深層水を活用した地域振
興に向けての課題を次とおり上げている。
① 海洋深層水利用効果の科学的根拠の解明
② 科学的根拠に基づく商品開発・利用開発
③ 利 用 商品の拡大
④ 大 規 模 消費地へのPR
⑤ 企 業 誘 致による雇用の創出
⑥ 財 政 難 の中での施設のメンテナンス
⑦ 行政的支援
北海道における特色ある港湾機能を活用して取水される海洋深層水は、羅臼町、岩内町、八雲町(熊石地区)の3地域で供給されており、水産利用以外にも食料品や化粧品など様々な分野で活用されている。
し か し 、北海道は後発地域である等の理由により、関連商品( 食品、美容・健康、水産業、農業利用等) の販売の伸び悩みが続いており、深層水の利用量も頭打ちとなるなど、認知度・告知不足、輸送、価格、効能・科学的根拠不明、販売網の少なさ等、実用化、販売面で多くの課題を抱えている。本 研 究 で は、こうした課題を克服するために、単独では効果が限定的なPR活動の推進や継続的な製品開発、販売促進の取組強化等の検討に向けたアンケート調査を実施し、消費者の目線に沿った購買動向を分析した。また、取水地である羅臼町、岩内町、八雲町(熊石地区) 3地域の事業担当者による取水地連絡会を毎年開催し、各地域で抱える深層水の利活用に係わる問題点・課題解決に向けた意見交換を行った。
2. 方法
(1)北海道海洋深層水フェアの実施取水地のある3地域で海洋深層水を利用した関連商品の認知度向上のため、消費者の多く集まる北海道札幌駅周辺において、平成23年度~ 27年度まで年に1回、3町合同
で「北海道海洋深層水フェア」を開催し、海洋深層水のP R と販売促進活動を行った。
(2)アンケート調査の実施
上記フェアの開催に合わせ、フェア来場者を対象にアンケート調査を実施した。アンケートの質問事項は次のとおりである。
3. 調査結果
(1)アンケート調査
① 北海道の消費者は、海洋深層水の特徴や取水地の認知度が比較的高い。
② 深 層 水 のイメージは、「健康」、「おいしい」、「栄養」が高く、若年代層・女性層では「美容」のイメージも高い。
③ 深 層 水商品の購入リピート率は約30%~ 50% で、女性のリピーターが多い。また、購入した人の50% ~ 80% が再度購入の意欲がある。
④「再度購入したい」人の商品の感想は「おいしかった」が約半数を占める一方、「どちらともいえない」人は「おいしかった」けれど「高かった」、「効果なし」という感想が多い傾向を示してる。
⑤ 商 品 に 対して、「リーズナブルな価格」と「効用の科学的根拠」が望まれている。男女とも同一意見が多い。
⑥ 販路拡大に向けては、価格を安くすることや積極的なP R が必要との意見が多い。
⑦ フ ェ ア の 感想については、76% の人が継続した開催を期待。商品種類を増やして欲しいという要望が26% あった。以 上 の ア ン ケート回答結果より、海洋深層水を使用した商品として望まれる商品像を以下にまとめた。商 品 像 を み ると、分野としては一般食品となり、深層水のイメージにつながる付加価値を加えたものとなる。付加価値としては、「健康」、「おいしさ」、「栄養」また若年代層・女性層向けでは「美容」につながるものとなる。また、リピート率を上げるには、「リーズナブルな価格」、「効用の科学的根拠」、「商品メニューの充実」を備えていくことが必要である。また、こうした商品について、さらにP R を進めることも重要である。
(2)北海道海洋深層水取水地連絡会
3 町取水地連絡会へのヒアリングや当会
議の意見交換から深層水を活用した地域振
興に向けての課題を次とおり上げている。
① 海洋深層水利用効果の科学的根拠の解明
② 科学的根拠に基づく商品開発・利用開発
③ 利 用 商品の拡大
④ 大 規 模 消費地へのPR
⑤ 企 業 誘 致による雇用の創出
⑥ 財 政 難 の中での施設のメンテナンス
⑦ 行政的支援