室戸アクアファームにおける施設の維持管理
- 標題
- 室戸アクアファームにおける施設の維持管理
- 作者
- 出間伸資・西岡洋平(室戸市役所)
- 文件屬性
- 日本研究
- 知識分類
- 基礎研究
- 點閱數
- 5129
摘要
1.はじめに
室戸アクアファームは水産庁の漁港高度利用活性化事業の補助を得て、我が国初の海洋深層水取水・分水施設として、1999 年に施設整備され、2000 年4 月から供用を開始した施設である。海 洋 深 層 水 取 水 施 設 の 概 要 は 取 水 量4,000m3/ 日、沖合約3,125m の水深374m( 取水地点の海水温: 8 ℃ 程度) よりφ270A の取水管*1 条で揚水している。ま た 、 深 層 水の利活用は当初より企業分水用に2,000 m3/日、水産関連利用に2,000m3/日の枠で運用してきている。こ こ で は運用開始から今年で18 年と、長年に亘り使用してきた施設の運用管理と維持管理に関して報告する。
2.施設概要とその利用状況
取水・分水施設概要を図-1 に示す。また、深層水の利活用度合について、その揚水量がピークとなった平成15~ 16 年度当時の実活用量は取水能力の約75%(本施設の取水ポンプは24hr 稼働)に達していた。一方、深層水関連商品等の販売状況は利用企業数:112 社、商品数:47 分野*600 アイテム、最大
売上高:135 億円(図-2参照)であった。また、室戸市内に立地の関連企業による新規雇用者数は約200 人(全就業者:約8000人)となっていた。
3.施設の運用管理
本施設は公設公営であり、その運用は市条例に基づき管理・運用されてきた。主要な事項に関して以下に列記する。
・運営人員:市職員1~ 2 名+地元雇用5 名
・セキュリティ:警備保障会社と契約
・電気関連保安管理:電気保安協会と契約
・設備機器点検:外部委託(年2回定期点検)
+修繕(随契)・水質検査:月1回定期検査(食品検査センター)
・放射性物質(セシウム)検査:月2回定期検査(日本食品検査)この中で、最も高額の費用を要す設備機器の修繕の特長については以下の通りである。
①海中部に立地する取水管等の施設についてはメンテフリーで経過している。
②補修を要する設備機器は地上に配備された機器であり、対海水仕様で製作されたものがないこともあり、腐食に起因する劣化が多い。
③また、機器によっては運転時間に伴い消耗する部品の交換を要す物もある。代表的な機器の交換頻度実績に関して、以下に示す。
・取水ポンプ:インペラー部交換 7 年全体交換 15 年
・非常用発電機:バッテリー交換 10 年エンジン整備 10 年
・空気圧縮機:5,000hr 交換部品 2 年本体交換 10 年
・電磁流量計検定: 5 年
・デスペンサー交換: 5 年
・会計管理システム: 4 年
・淡水化装置RO 膜交換: 2 本/年
室戸アクアファームは水産庁の漁港高度利用活性化事業の補助を得て、我が国初の海洋深層水取水・分水施設として、1999 年に施設整備され、2000 年4 月から供用を開始した施設である。海 洋 深 層 水 取 水 施 設 の 概 要 は 取 水 量4,000m3/ 日、沖合約3,125m の水深374m( 取水地点の海水温: 8 ℃ 程度) よりφ270A の取水管*1 条で揚水している。ま た 、 深 層 水の利活用は当初より企業分水用に2,000 m3/日、水産関連利用に2,000m3/日の枠で運用してきている。こ こ で は運用開始から今年で18 年と、長年に亘り使用してきた施設の運用管理と維持管理に関して報告する。
2.施設概要とその利用状況
取水・分水施設概要を図-1 に示す。また、深層水の利活用度合について、その揚水量がピークとなった平成15~ 16 年度当時の実活用量は取水能力の約75%(本施設の取水ポンプは24hr 稼働)に達していた。一方、深層水関連商品等の販売状況は利用企業数:112 社、商品数:47 分野*600 アイテム、最大
売上高:135 億円(図-2参照)であった。また、室戸市内に立地の関連企業による新規雇用者数は約200 人(全就業者:約8000人)となっていた。
3.施設の運用管理
本施設は公設公営であり、その運用は市条例に基づき管理・運用されてきた。主要な事項に関して以下に列記する。
・運営人員:市職員1~ 2 名+地元雇用5 名
・セキュリティ:警備保障会社と契約
・電気関連保安管理:電気保安協会と契約
・設備機器点検:外部委託(年2回定期点検)
+修繕(随契)・水質検査:月1回定期検査(食品検査センター)
・放射性物質(セシウム)検査:月2回定期検査(日本食品検査)この中で、最も高額の費用を要す設備機器の修繕の特長については以下の通りである。
①海中部に立地する取水管等の施設についてはメンテフリーで経過している。
②補修を要する設備機器は地上に配備された機器であり、対海水仕様で製作されたものがないこともあり、腐食に起因する劣化が多い。
③また、機器によっては運転時間に伴い消耗する部品の交換を要す物もある。代表的な機器の交換頻度実績に関して、以下に示す。
・取水ポンプ:インペラー部交換 7 年全体交換 15 年
・非常用発電機:バッテリー交換 10 年エンジン整備 10 年
・空気圧縮機:5,000hr 交換部品 2 年本体交換 10 年
・電磁流量計検定: 5 年
・デスペンサー交換: 5 年
・会計管理システム: 4 年
・淡水化装置RO 膜交換: 2 本/年